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2022/01/15 17:41

個人インポーターの独り言 vol.4


最幸の朝食終わりから始まった冒険の連鎖。
食事終わりに初老の男性と若い男性に声を掛けられ家に遊びにおいでと誘われたので、断る理由もなく着いていく。
よく見れば歩いてる道は舗装されていない土道、周りは広大な葡萄畑......ん?ここは?
地図を確認すると聖地巡礼の道だった。

初老の男性はパイプを煙らせ空を見ながらゆっくり歩く、若い男性は僕の友人にひっきりなしに質問しているようだ、
僕も煙管を吸う......煙管が珍しいのか初老の男性から熱い視線と笑顔。

のどかな田舎道をしばらく歩くと石造りの建物が見えてきた。
若い男性が友人と僕に『あそこが私達の家だよ』と指差した。
左右には朝陽を浴びてキラキラ輝く熟す前の葡萄たちが元気に実っていて、綺麗な水が流れる小川があり、気づいたら僕は葡萄畑の土を舐めていた。
その土を舐める行為に何か言いたげな初老の男性が満面の笑顔で僕を見ている。
そうこうしていると、お家に着いた。

自家製のハーブティーと焼きたてのデニッシュが出され、家族の紹介が始まった。
初老の男性の奥様、若い男性、若い男性の奥様、若い夫婦の子供3人、最後に初老の男性の自己紹介。
あれ? どこかで聞いた事のある名前......
そうだ!昨日は夜遅く到着したから行けなかったワイナリーの名前だ!

友人が慌てて目的地がここだと伝えると、皆大爆笑。
初老の男性は改めて僕に握手を求めてきて、
【うちの土は美味しかったかい?君は僕達と同じ事をするんだね】
と言いニコニコ。
改めて自己紹介をし席に着いた。

程なくして若い男性が数本の瓶とグラスを持ってきて
【うちのワインさ、目的はこれだろう?】
とこれまた優しい笑顔で......なんて気持ちの良い家族なんだろう。
もうこの人柄だけでワインの良さがわかるがここはビジネス、しっかりテイスティングしようと意気込みいざ!

【昇天】

肥沃な大地のエネルギーをしっかりと纏い、素直できめ細かい旨みと、華やかでクリアな果実味、程よい酸とシャープな喉越し。
こういう昇天しかけるワインとの出会いはそうそうない。
即決は言うまでもない。

このワイナリーでは新しく2種を契約。
また春先にもう1種を契約する事になり、無事契約を済ませ施設見学をしお昼近くになりこのワイナリーを後にしようと僕達は外へ。

そこには教会でお会いした人達が7人僕達を待っていた。
皆、村の醸造家たちだ。
そこからまた幸せの連鎖が始まり結局この村には3日滞在し、新規契約ワインも十分増やし次の目的地へと歩を進めた。