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2021/05/19 12:45
秋になると◯◯の秋という風に、色々と言われますが、芸術の秋もそのひとつですね。
この「芸術」という言葉、実は「農」と密接な関係にあります。
『芸』という字は略語なのですが、本来は『藝』という字です。
その『藝』とは「何かを植える」「人間が精神的に成長してゆくため、価値体験を種えつけること」を意味する語なのです。
まさにそれは、暮らしや生活全般を示す古代の「農」という、天地(あまつち)とともに生きる様で、自然とつながり続けていくことではないでしょうか。
人が生きていくために食べものを育てたり捕獲したり、住む場所や道具をつくったり、その経験と叡智を代々つないでいくことで子孫を繁栄させていくこと、それこそ「藝」の術であり、「農」であると言えます。
しかし、略語の『芸』は農業用語で「くさぎる (雑草をとる)」「草を刈り取ること」の意味を表し、本来の『藝』とはまったく違う意味になってしまっていることには疑問を抱きます。
「農」の中から生まれた食べものや生活用品は、言わば藝術品であり、造り手は藝術家、スーパーマーケットは
まるで美術館だなと感じています。